こだわり?
いや、好きなんです。
紹介したい面白い人がいる
某大手スーツ販売店で売り上げトップ
保険の営業に転身
そこでも表彰されて
今はオーダーメイドスーツの営業
“間違いない”と思える人
紹介してくれたのは浜田さん。
出会ったのはKASHIYAMAで働く本多 強さん。
Profile
本多 強(Honda Tsuyoshi)
某大手スーツ販売店で幾度もトップセールスを記録。地元である広島に戻り、保険の営業を経て、KASHIYAMA(株式会社オンワードパーソナルスタイル)に入社。
「KASHIYAMAの魅力を信じている。広島の人に知ってもらいたい。広島の人にもっと格好良くなってもらいたい。」
中四国を中心にKASHIYAMAの魅力を全力で発信中。


オーダーメイドのスーツ。
皆さんの印象は?
憧れる?高そう?お店に入りにくそう?自分にはまだ早い?もったいない?
こだわりたい、格好良くなりたい、おしゃれになりたい人がたどり着く場所。
私の印象はこんな感じですでした。
オーダーメイドのスーツは終着駅ではなく、始発駅なのかもしれない。



音楽が僕の原点
スーツとの“出会い”を聞かせてください。
スーツというよりファッション。ファッションというより音楽。音楽が大好きなんです!音楽とファッションは隣り合わせ。音楽があるところにはファッションがあり、ファッションがあるところには音楽がある。いろいろな歴史を勉強していたこともあり、スーツの世界にも惹かれました。音楽が僕の原点ですね。お客さまに提案させていただく前には、頭の中にいつも同じ音楽が流れています。それで、スイッチが入る。
バンドマンですか?
根っからのリスナーです。DJをやることもありますが。昔は、レコードやCDのジャケットを見て「どんな人なんだろう?どんな風に演奏されるんだろう?」と想像するしかなかった。高校生のときに大好きなDJに会ってみたくて東京まで行ったことがあります。「頑張ってください」と声をかけたら怒られた。「俺は頑張ってる。お前は頑張ってんのか?西日本で音楽が普及してるのか?してないならすぐにDJやれ!」と。「わかりました!」と勢いでDJを始めました。笑


スーツの販売員として働くことになったきっかけは?
高校・大学と工業系の学校に通っていましたが、モノを作るより人と話す仕事の方が向いている気がして。ちなみに、僕は「永ちゃんの後輩」です。その肩書きに憧れて高校を選びました。笑 ある時、友達に誘われ合同企業説明会に参加することに。会場の隅にいた僕に声をかけてくれた方がいた。…金髪・ピアス姿の僕に。笑 試しに一次面接を受けてみようかなと。「せめて髪型だけは…」「次はこうした方が…」とアドバイスをいただきながら内定をもらいました。笑 その後、全国各地の店舗で15年ほど働きました。
(気になることがたくさんある)
一方通行の肩書き。笑 まさか一次面接も金髪・ピアス姿ですか?
そうそう。受かったのは恩情でしょうね。笑
入社後は?
新人王を獲りました。2年目以降も4〜5年連続トップを獲らせていただいて。
本多さんだけの強みがあった?
入社時から、仕事にプライドを持って“頑張ろう”という気持ちは人一倍強かったと思います。それを教えてくれたのは学生時代のバイト先の上司。学生時代は、金髪・ピアスみたいな身なりだったり、不器用なところがあったりしたせいか、すぐにバイトをクビになっていました。一日でクビになったこともある。“受け入れられない”と悩んだこともある。でも、そんな僕を認めてくれ、可愛がってくれる方に出会えたんです。めちゃくちゃ厳しかったですけど…。笑 その方に“仕事”を教えてもらいました。仕事が楽しくなったし、仕事に対してプライドを持つようなった。入社してから「ここまで頑張らないといけないのか?」って葛藤はありましたけどね。自分なりの、自分だけの提案ができるように頑張って、結果が出て、自信になって、その積み重ねです。
仕事を“頑張る”ことができるのは?
家族のためです。それがすべてです。
“頑張る”
たった三文字の重み。
本当は“どんな風に?どうやって?”を伝えるべきなのかもしれない。
でも、しない。正直に言うとできない。笑
本多さんにも、東京まで会いに行かれたDJの方にも、想像も及ばない“頑張る”があるはず。
知りたくなったら本多さんに会いに行ってほしい。
こんな画期的なオーダースーツはない。
値段も安い、納期も早い、オンリーワンの商品をお客さまに提供できる。
広島の人たちに知ってほしい。
格好良くなってほしい。
KASHIYAMAとの“出会い”を聞かせてください。
母親が体調を崩し、地元に戻ろうと。縁あって紹介されたのが保険の営業でした。浜田さんとの出会いもこの時。プライドも高かったし、前職ではちやほやされて天狗になっていたし、保険の営業では心も鼻もすべてへし折られました。笑 待っていてはダメだから。一軒、一軒、地道に訪問して。そうやって働いていると、お客さまの中に、後にKASHIYAMA(株式会社オンワードパーソナルスタイル)の副社長になられる方がいらっしゃった。ある時「ちょっと遊びに来ないか?」と連絡があり「KASHIYAMAというブランドの立ち上げに力を貸してほしい」と誘っていただきました。「またスーツに携わる仕事ができる!」と思う一方、覚悟を持って保険の仕事をしていたので簡単に辞めるという気持ちにも…。
決め手があった?
先ほど話したバイト先の上司だった方に相談したら「お前から保険は入りたくないけど、スーツは買いたい」と言われて…“なるほどな”と。コンセプトや戦略を聞いて広島の人たちにKASHIYAMAのことを知ってほしいと思いました。無名なところにも燃えた。
今はどんなお仕事?
店舗にはほとんどいませんね。KASHIYAMAを知っていただくために、中四国をメインに営業しています。保険の営業経験が活きている。あの経験がなかったら外には出ていないかも。笑

自分のことを話してくれるとき、本多さんの隣には必ず誰かがいる。
「たくさんの人に支えてもらって、甘やかされて、感謝しています。」
目の前の仕事に全力で向き合い、取り組み、常に前を見ている。
勝手ながら、私が抱いた本多さんの印象。
だから、気になる、支えたくなるんだと思う。
拳を握りしめたり、涙をこらえたり、こらえきれず泣いたり、人生にはいろいろなことがある。
でも、一緒になって拳を握りしめ、涙をこらえ、泣いてくれる人がどれだけいるだろう。
きっと本多さんの隣にいる人は、一緒に泣いてくれるし、一緒に笑ってくれるんだろうな。
もし、私にもそういう人がいるなら手を挙げてください。笑
冗談です。知っています。
だから、今日も本多さんに出会うことができた。
だから、この記事を読んでくれる人がいる。
…スーツの話も忘れずに。
オーダーメイドのスーツは
自然と気分が変わる。
気分が変われば、扱い方も変わる。
扱い方が変われば、立ち姿も変わる。



スーツは消耗品…お金をかけても…と思ったり…
確かにそれはあるかもしれません。でも、オーダーメイドの価値は値段ではないと思います。サイズが合っているから物持ちが良い。既製品だと負担がかかる場所が偏ってしまうことがあります。ヒップが破れやすいとか。だから、ストレッチ素材でカバーする。必ずしも値段が高いから物持ちが良いってことにはならないと思います。なにより気持ちが変わりませんか?自然とスーツの扱い方も変わるんじゃないかな?大きなハンガーにかけてみたり、パンツハンガーを使ってみたり。気持ちも変われば、扱い方も変わる。立ち姿だって変わるはずです。
身だしなみが影響しない仕事もあるのかなと…
マイナスになっていなくても、プラスになるなら皆さんに知ってもらいたいですね。スタイルアップセミナーを開催される企業や学校も多いです。「ビジネスカジュアルってどんなの?」とか「スーツを着る機会は減っているけど何でも良い訳ではない…」とか。KASHIYAMAはスーツだけでなく、セットアップをご提案することもできます。女性のお客さまもすごく増えてるんですよ。今は男性の方が多いですが、近いうちに女性の方が多くなるんじゃないかな?人からどう見られるのか、自分をどう見せるのか。それはやっぱり大切だと思います。
スーツが大好きです!
あれ?僕って変態ですか?笑
本多さんとお話しているとすごく楽しそうです。楽しさが溢れています。
めちゃくちゃ楽しいです!スーツが大好きだし、勉強してきた自信もある。この仕事に誇りを持っています。とにかくKASHIYAMAのことを知っていただきたい。自社工場を持ってるってすごいことなんです。だからこそ、安く、早くを実現できる。裾上げしても1週間くらいかかるじゃないですか?オーダーメイドのスーツを1週間で納品するなんて信じられなかった。広島で100人に聞いたら100人が知っているブランドにしたい。そうなると信じています!
スーツが大好き!というのも溢れています。笑
だって格好良いじゃないですか!イタリア人ってジャケットを脱がないの知ってます?シャツ=肌着なんですよ。人前で肌着にはならないでしょ?だから僕もできるだけ脱ぎません。脱ぎたいときもありますけどね。サスペンダーを見せたいときとか。笑
あとは、よく言われますが靴も大切ですよね。ブラッシングして、クリームを塗って…クタっとした靴が生き返るんですよ!たまらないです!生き物ですから。しかも僕は家に帰ってスーツ姿のまま靴を磨きます。音楽を聴きながら手入れをしたり、アイロンをかけたり。最高ですよ。
……あれ?もしかして僕って変態ですか?笑
こだわりがすごいです。笑
こだわりというか、好きなんです。本当に。
スーツも好きだし、音楽も好き。エレクトロ・スウィングって分かりますか?スーツとばっちり合うんですよ!スーツと音楽が融合したイベントを開催したいと思っています。実現したらぜひ遊びにきてください!
締めは浜田さんにお願いします。
本多さんが“間違いない”理由は?
えっ?私?何だろう?悩んだ時に「どっちもお似合いですよ」みたいな言い方はされないかな。私の仕事や性格、好みとかを理解されたうえで「これが良いと思います」ってプロとしてアドバイスをくれる感じ?コーディネイトされてきた数が違うし、すべてをお任せできる。保険の営業をされている時も、スーツの営業をされている時も、本多さんのテンションは同じ。ブレないというか。適当なことを言われていないというか、そういう安心感もあるのかな。今日は私の知らない本多さんをたくさん知ることができた。知っていたら紹介してないかも。笑
取材を終え、帰りながらふと気づいた。
オーダーメイドスーツのことを知る前に…自分のことすらよく知らない…。
腕の長さは?足の長さは?肩幅は?首まわりは?手首まわりは?
パッと頭に浮かばない。
知っているのは身長と体重くらい。
血糖値が…コレステロールが…いや、そういうのも大切だけど。
あれ?私の意識が低すぎる?もしかして、皆さんは知っているの?笑
もしかしたら、自分のことをよく知らないまま人生を終えるのかもしれない。
…少しだけ寂しくなった。
自分のカラダに感謝を込めて。
スーツにするか、セットアップにするか、シャツにするか。
女性ならパンプスでもいい。
自分へのご褒美に。大切な人への贈り物に。
初めてのオーダーメイドはそんな理由もありかもしれない。
オーダーメイドの民主化
KASHIYAMA
(取材日:2021年3月29日)
(写真は提供いただいたものを使用しています)